気になるコトバ 「キンドル」

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 今回の気になるコトバでは、デジタル文章の閲覧スタイルに風穴を開けるのではないかと噂されている、Amazon.comのキンドル‘Kindle’について紹介します。これは情報科指導法という講義でたまたま耳にしたコトバであり、自他共に気になるコトバであると感じました。


○電子書籍
 皆さんは文章を読んでいますか?そのとき、あなたが手にしているものは何ですか?
大学や電車内、カフェでは本を片手に時間を過ごす姿を見かける。また、携帯電話で友人や家族、恋人とメールをしたり、webブラウジングをしたりするときにも、多くの文章と向き合っているのではないだろうか。情報化社会となった現代では文字がデジタル化し、そこから情報を得ることが当たり前のように行われている。
 そのような背景において、携帯電話で文章を読むケータイ小説が流行した。皆さんもYoshiの『Deep Love』やChacoの『天使がくれたもの』、美嘉の『恋空』といった作品を一度は目にしたことがあるのではないだろうか?携帯電話を媒体とすることで読み物への敷居が低くなり、デジタル化した文章を読むというスタイルが確立されたように感じた。しかし、ケータイ小説は携帯電話に依存したメリット・デメリットを持ち、賛否両論が交わされた。肯定的な意見もあったが、文章が簡略化するために稚拙な文章表現が目立ち、質の低下が叫ばれてしまったのも事実であった…。
○キンドル‘Kindle’
 2007年11月19日にアメリカ合衆国でAmazon.comが販売を開始した電子ブックリーダー、それがキンドルである。大きさは文庫本とほぼ同等の手のひらサイズだ。( 19.1cm×13.5cm×1.8cm) 重さも 292gと、「より軽く、薄い」をコンセプトに設計された。その結果モバイルとして、邪魔にならない適正サイズが強みとなり、さらに実物の本を越えるような端末を実現させた。価格は発売当時で約400ドルであったが、その後約360ドルにまで値下がりした。画面表示は他の電子ブックリーダーと同様に電子ペーパーの一種であるE Inkを使用する。これはインクの粒子を電気的に表示させるものであり、バックライトを使用しない。この高解像度の画像技術により、目への負担が少なくて済むことに加え、通常印刷物の本と比べても見劣りしない。
○スペック
 キンドル最大の特徴は、携帯電話網を利用した高速通信EV-DOを利用できるという点である。単体でインターネットへの接続が可能であり、わざわざPCを介さなくとも電子書籍や新聞記事をダウンロードすることができるのだ。利用の際に携帯電話会社との契約は不要であり、Amazon KindleのサイトとWikipediaであれば、通信料をAmazon.comの負担により無料で接続できる。本来これら以外のサイトは有料となる予定であったが、2008年11月現在では他のサイトも無料で接続が可能となっている。デジタル書籍の購入はAmazon.com書店の88000冊を有料ダウンロードで手に入れることができる。デジタル判の本は約10ドルに値段が設定されていて、通常書籍よりも安く購入することができるのも、キンドル独自のサービスとなっているからである。また、ほとんどの書籍の冒頭部分はサンプルとして無料でダウンロードが可能となっていて、ユーザーにとって親切なサービスが整っている。具体的なビジネスモデルとして、Amazon.comは書籍の低価格を強みに利用者を増やし、キンドルのハードウエア本体や課金制コンテンツより実際の利益を上げていこうと考えている。 課金制コンテンツとはニューヨーク・タイムズなどの新聞、タイムなどの雑誌、各種ブログなどである。これらのダウンロードは自動で行われる。購入した電子書籍は180MBの内部メモリーによって約200冊分を記録することが可能だ。また、外部メモリーとしてSDカードを加えることが可能なので、さらに記録量は増幅していく。パワフルなバッテリーも魅力的であり、EV-DO通信常時接続の場合は2日間、EV-DO通信常時非接続の場合は1週間持つ仕様となっている。
○終わりに
 スマートな形状であり、携帯電話並みの通信機能を持つキンドルは非常に魅力的な電子書籍である。個人的にも日本での発売を非常に待ち遠しく感じている。世界でも類を見ないほどに多彩な機能を持った携帯電話や人気携帯ゲーム機のニンテンドーDSやPSPが存在する日本に、このキンドルがどのような嵐を巻き起こすのか、とても楽しみだ。本が好きな方もそうでない方も、国内販売が実現した際には一度、このキンドルを手にとってみてはいかがだろうか!?
文責 大久保 宏紀
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