気になるコトバ 「ディーゼルエンジン」

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 日本でのディーゼルエンジンは「黒煙をまき散らす」「うるさい」「振動が大きい」など負のイメージが強い。しかし、世界各国で開発が進み、今ではヨーロッパなどで多く採用されています。近年再注目されているディーゼルエンジンについて調べてみました。


 一体、ディーゼルエンジンの利点はどこにあるのか。ディーゼルエンジンがガソリンエンジンと比較して優れているところは、
1、Co2排出量が少ない
2、燃費が良い
3、燃料として使用する軽油の価格が低い
と主に3つのポイントが挙げられる。 
 しかし、その一方でより大きな大気汚染を引き起こす窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出量が多く、一般車への採用は避けられてきた。加えてエンジンパワーが貧弱という欠点もあった。そんなディーゼルエンジンは、ドイツのボッシュなどの自動車関連企業によりコモンレール方式という新たな燃料噴射方式が開発、量産されている。現在では、弱点だったNOxとPMの排出量を低減させることに成功し、ヨーロッパでは一般車への採用が増加していった。
 今年の9月には、ドイツ・フォルクスワーゲングループのアウディが日本市場に向けて、自社が開発したディーゼルエンジンであるTDIエンジンを搭載した「Q7」というSUV車を2010年に投入すると発表した。このTDIエンジンとは、Turbocharged Direct Injectionの略で、日本語に訳せば、「ターボによる過給と燃料の直接噴射」ということになる。このシステムにより、先程述べた3つの利点を殺さずにハイパワーという利点が加わり、ディーゼルの欠点であったパワー不足も解消された。アウディは、このTDIエンジンをモータースポーツの世界にも投入している。今までディーゼルエンジンは、モータースポーツとは無縁の存在だったが、それは過去のものとなった。燃費の良さを最大に活かせる耐久レースにおいては、抜群の成績を残している。フランス・ルマンで行われる「ルマン24時間耐久レース」では、3年連続でアウディのディーゼルレーシングカー「R10 TDI」が優勝している。2008年は新開発のバイオディーゼルエンジンを採用した。今後の一般車へのフィードバックが期待される。
 ディーゼル車導入は、海外のメーカーだけではない。日産は同社のSUV、「エクストレイル」にディーゼルエンジンモデルを投入した。この「エクストレイル」のエンジンM9Rは、ヨーロッパのEURO5やアメリカのBIN5といった世界最高水準の排ガス規制と並ぶ日本の規制、ポスト新長期規制をクリアし、話題を呼んだ。以前から、ホンダが同社のミディアムセダンである「アコード」をベースにディーゼル車を開発していたため、日本での次世代ディーゼルはホンダ、との読みが強かったが実際の一番手は技術の日産となった。
 日本での次世代ディーゼルエンジンの認知度は低く、普及もヨーロッパに比べ遅れているが、日産「エクストレイル」を皮切りに今後、多くのディーゼル車が登場するかもしれない。
文責:野中 康平
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