第2回 Sony 橋本勝憲氏

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 11月20日、Sonyから橋本勝憲氏をお招きし、電子マネーについて講義を行って頂きました。
 現在、日本では「Suica」や「Edy」をはじめ、「ICOCA」「PASMO」「nanaco」、クレジットカードと連動している「iD」「QUICPay」「Smartplus」など、さまざまな非接触ICカードが私たちの身の回りに存在しています。これらのカード基盤にはソニー製である、「FeliCa」が搭載されています。
2004年に行われた第1回講義の様子はこちら


○FeliCaの特徴
 「FeliCa」とはソニーが開発した非接触型ICカードの技術方式である。非接触型ICカードはカード自体に電源を持たず、リーダ/ライタから発信される電波を受け、動作をする。FeliCaとリーダ/ライタとの通信速度は約0.1秒で、中のデータは暗号化されて保存されている。非接触ICカードの規格は他にも「タイプA」「タイプB」と呼ばれる規格があるが、これらに比べ、FeliCaは処理速度に優れている。一定以上の電圧がかかるとデータを自己破壊するプログラムなども搭載されており、偽造やスキミングへの対策も講じられている。このFeliCaを使うことにより、スピーディーなデータの送受信が可能となり、交通機関での混雑の緩和や、店頭での決済の高速化が実現可能となった。
○決済サービスの種類
 非接触型ICカードには2種類の決済方法がある。プリペイド型は電子バリュー(現金データ)を利用用途に応じてチャージし、使用する。ポストペイ型はクレジットカードと連動しており、利用した分だけ、後日クレジット払いされるものである。
○おサイフケータイ新規事例
 おサイフケータイを使った新規事例(ケータイチケット)を紹介していただいた。
1.ホリプロ「ピットモット」
 このサービスはオンラインでチケットを買い、「おサイフケータイ」で演劇公演の電子チケットを受け取れるサービスである。従来の紙チケットに比べ、発券の手間がかからず、紛失の恐れも少なくなり、会場への入場もスムーズに行うことができる。実際に「ピーターパン」「ヴェニスの商人」などでサービスが開始され、「ゲームショウ2007」でも同様のケータイチケットが導入された。
2.ANA「SKiPサービス」、JAL「ICチェックインサービス」
 国内線を対象に、航空券のケータイチケット化が開始された。搭乗手続きや手荷物を預ける際にかかる時間を短縮し、利便性を高めることが目的である。携帯電話からANAのWebサイトにアクセスし、座席の予約から購入、座席指定も行うことが可能なうえ、携帯電話がそのまま航空券の役割を担うため、従来の磁気ストライプの付いた紙の航空券は不要となり、コスト削減にもつながる。現在では利用できる空港は限られているが、順次拡大予定である。
 このように、おサイフケータイを利用したサービスは拡大している。しかし、ペアチケットをどの様に指定するのか、航空機の機内では計器に影響が出るために電源を切らなくてはならないが、携帯電話を開き、座席を確認しなくてはならない、といった問題が残っている。
○まとめ
 電子マネーの登場により、我々の生活は劇的に変化したといっても過言ではない。今後、まだまだ現金主義の観念が強い日本において、現金主義からいかにキャッシュレス化へ移行させ、多くの現金を電子マネーに置き換えていくかということが問題である。また、自動販売機へ搭載するため、8種類の規格を利用できる汎用リーダ/ライタの開発、「マイフェア」と「FeliCa」の互換性がある「NFC」の開発など、今後も電子マネーにおける競争は激しくなると予想される。そして、「おサイフケータイ」としてモバイルFeliCaが台頭してきている今日、電子マネーの更なる普及の鍵は携帯電話にあると考えられる。今後も電子マネーに注目していきたい。
文責:小城光利