海外視察2007 フランクフルト空港

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 世界有数のハブステーションであるフランクフルト国際空港では、他の交通機関との共存、インターモダリティの考え方を中心にレクチャーを行って頂きました。ヨーロッパにおいて、同じハブ空港の役割を持っている、ヒースロー国際空港、シャルル・ド・ゴール国際空港などと比べ、経済圏が大きいことが特徴です。


○どのような空港か
 フランクフルト国際空港は、世界的にも有名な空港であり、ドイツ最大の空港である。注目すべきは、ハブステーションとしての機能を果たしていることだろう。ドイツは、ほかの国々と違って、中央集権ではなく地方化しているという特徴がある。そのため、国内には16もの空港があるのだが、フランクフルトは人口が集中しており、中心に位置しているため、地理的に非常に恵まれている。ハブステーションとしての役割を果たすのに適しているのだ。しかし、ハブステーションとしては、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港、スキポール空港、ロンドン・ヒースロー空港などが乗り換え時の客の取り合いなどでフランクフルト国際空港と競合している。
○インターモダリティの導入
 フランクフルト国際空港は、高速電車のICE導入によって革命が起きた。つまり、空港と鉄道の結びつきよって競争力が高まったのだ。ほかと経済圏が重なっているところでも、フランクフルトにはICEが入っている。そのため、客を引っ張ってくることができる。ICEが開業したのは1991年であるが、この連携の始まりは2001年からのこと。鉄道と他の交通機関を連携させるインターモダリティの考えは、客にとっての利便性を考えれば、非常にプラスである。そうして、商業圏、経済圏を拡大していった。実際、フランクフルト空港から100km圏以上のところからは利用者が10%増えている。加えて、飛行機よりも鉄道のほうが環境に良いことから、環境プログラムというものにおいて、鉄道の利用を勧めている。
しかし、一方でフラポートの収益は減少してしまうとの見方もある。本来なら飛行機の客だったはずが、鉄道の客となってしてしまうからだ。ICEの導入は、面倒な手続きのカットなどがなくなり、便利になればなるほどフラポートは国内線を減少させざるを得ない。その結果、廃止となった近距離路線もある。どのように導入していくかは重要な問題だ。
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○今後の課題
 国内線の数は減少したものの、国際線はインターモダリティによって伸びている。それも、需要がキャパシティを超えるまでに多い。それに伴い、滑走路を増やすといった拡張が必要である。しかし、フランクフルト国際空港は市街地から近く、住民との衝突がありなかなか話が進展していかない。騒音などの環境的な問題の解決は、難しい問題である。また、滑走路の費用負担は、ICEは空港に導入されたおかげで客数を伸ばしていると言うこともできるので、空港だけの問題とせずにしっかり話し合いをしてどの程度の負担で折り合うかを決めていかなければならないだろう。今後の動きに注目していきたい。
文責:太田康弘