株式会社JTB 黒澤氏

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大学生に人気の旅行業界。IT化が進み激変している旅行業界を、株式会社JTBの黒澤氏をお招きし、『IT時代の旅行戦略』というテーマでご講演をして頂きました。


大学生に人気の旅行業界。IT化が進み激変している旅行業界を、JTBの黒澤氏をお招きし、『IT時代の旅行戦略』というテーマでご講演をして頂きました。
JTB
2003年12月22日、JTB市場開発部企画室長の黒澤氏をお迎えした。
「IT時代の旅行戦略」という題目で、IT化に伴い激変している旅行業界の現状について講義をしていただいた。
○人々の「旅行」に対する意識の現状
  
インターネット白書によると、「旅行」をする人のうち、旅行会社を利用する人の割合と利用しない人の割合は五分五分である。
そして、利用している人は何度も利用するといった、リピーター化が進んでいるという。
最近では、団体旅行よりも個人旅行を好む人が増加し、直前になって申し込みを行う、いわゆる”間際化”の傾向があるそうだ。
 
 
○消費構造と流通構造の変化に伴う旅行業界の課題
 
IT化によって、流通構造にも変化が表れた。直販化といった中抜き構造へとシフトしてきたのである。
すると、旅行代理店の収益は次第に低くなってきてしまう。旅行代理店の業務は、対面性などといった比 較的古い慣習が根強く残っているので、観光産業全体を見ても、IT化・ネットワーク化の遅れが問題と なっている。
人々の意識の変化・ITによる社会の変化に対応することが、生き残るためには必要不可欠なことである のだ。
○新しい旅行業界ビジネスの登場
インターネットで予約・取り消しができるWEBトラベルビジネスというものを、みなさんはご存知だろうか。
旅の窓口や、イサイズトラベルといったサイトがそれにあたると言えば知っている人も多いだろう。
ちなみに、Yahooの「たびゲーター」はJTBが運営している。
その他、JALやANA、JR各社が運営しているもの、コンビニのマルチメディア端末による旅行販売 といったものがある。
ローソンの「Loppi」にもJTBの商品があるそうだ。
最近では、今までは旅行業界に進出していなかったところからの進出が目立ってきている。
 
○e-コマースの市場規模と旅行市場の推移
ITの発展によりもたらされたものにe-コマース(電子商取引)がある。
「BtoC(Business to Consumer)」といった、企業(B)とお客さん(C)によるe-コマースの市場は、2006年には現在の20倍近くになることが予想されている程、注目されている市場である。
このようなe-コマース市場に旅行業界も入っていく。
サイトの一日平均接続回数が120万回である、JTBのインターネットでの旅行販売は、有料会員(リピーター)を増やしていくことで成り立っている。「JTB INFOCREW」と呼ばれる会員は、16 万人にも及ぶ。
このインターネットでのマーケットは、30~40代の方々がターゲットになっていて、国内旅行の案内を中心としている。
接続数が集中する時間帯は、18~19時だそうだ。
決済方法も、クレジットカード・デビットカードの決済となっている。
前々から旅行の計画を立てず、間際になって計画をする”間際化”による利用が多いという。
それは、若者世代の方が多く、”超間際”になって利用する人が多い。
売れ筋で良いものは、ディズニーランドのチケットだそうだ。 若者たちは、コンビニにある「Loppi」を使ってチケットを購入するそうだ。
しかし、「Loppi」の使い方を知らない人はまだまだ多いのが現状であり、課題でもある。
○変化のまとめ
IT化に伴い、旅行消費動向が以下のように変わってきている。
1.WEBでの旅行情報の入手
2.購買の容易化
3.夜間取引の増加
4.申し込み・決済方法の電子化・現地払い化
5.間際取引の増加
わざわざ旅行代理店に足を運ばなくてもインターネットから情報を入手できるので、消費者は自分が納得いくまで調べ、購入することが出来るようになる。昼夜問わず、いつでも情報が入手できることから、昼間は仕事で忙しい人も、 家に帰ってからゆっくり調べられるので、夜間に申し込みをする人も増えるだろう。
そして、間際取引が増加し、思い立ったらいつでも旅行に行けるようになるのである。
 
○今後の取り組みと課題
 
1.パンフレットの電子化する必要性→パンフレットの情報のデータベース化、料金などのパンフレットデータの標準化、きめ細かいコンテンツデータメンテナンス
2.デジタル式ではない見やすい画面表示
3.決済の電子化→宿泊プランの見直し、ICカード、オンラインデビットの普及
4.「間際化」を推進させない→直前に安くしてしまうなどといった割引きを推進させない。収益源につながってしまうため。
5.販売オペレーションに伴うインターネット対応能力の向上
○まとめ
インターネットの普及に伴い、旅行業界も様々な方法で戦略を立てている。
より使いやすいように変化していく社会。
インターネットで調べて、週末にはどこどこへ旅行に行こう!そういったことが出来る世の中になってきた。
旅行業界の進展で、私たちの旅行に対する価値観も少しずつ変わっていくのだろう。
文責:小河